むかしむかし、ある海べの村に、うらしまたろうというわかものがいました。うらしまたろうはまいにち海で魚をつって、お母さんとのくらしをたてていました。 ある日のつりのかえり道、三びきしか魚がつれなくて気のおもいうらしまたろうは、はまべでさわいでいる子どもたちを見かけました。なにをさわいでいるのかと、うらしまたろうは見に行きました。子どもたちはかめをつかまえていじめていました。 うらしまたろうは子どもたちに、どうぶつをいじめてはいけないと言いました。が、子どもたちはけらけらわらって聞きません。うらしまたろうはこの日とった魚を子どもたちにあげて、かわりにかめをはなしてもらいました。そしてうらしまたろうはかわいそうなかめを海ににがしてやりました。たすけられたかめは海をおよいで行きながら、なんどもうしろをふりかえっていました。 なんにちかたって、うらしまたろうが海で魚をつっていると、きゅうに大きなかめがすがたをあらわしました。おどろいたうらしまたろうにかめは言いました「このあいだはうちのかめをたすけていただきありがとうございます。おれいにりゅうぐうじょうにおつれします。どうぞわたしのせなかにおのりください。」 うらしまたろうはかめのこうらにのって、海のそこへもぐって行きました。 かめはどんどん海のそこをおよいで行きます。うらしまたろうは海の中のきれいな魚とかいそうを見ていました。りゅうぐうじょうにつきました。そこは見たこともないほどうつくしいところで
赤い靴履いてた女の子 異人さんに連れられて行っちゃった 横浜の波止場から船に乗って 異人さんに連れられて行っちゃった 今では青い目になっちゃって 異人さんのお国にいるんだろう 赤い靴見るたび考える 異人さんに会うたび考える
あたまを雲の 上に出し 四方の山を 見おろして かみなりさまを 下に聞く 富士は日本一の山 青空高く そびえ立ち からだに雪の 着物着て 霞のすそを 遠く曳く 富士は日本一の山
むかしむかし、あるところにおじいさんとおばあさんがいました。おじいさんは、あみがさを作ってくらしていました。おじいさんとおばあさんは貧乏で、ある年のおおみそかにはお正月のおもちを買うお金もありませんでした。それでおじいさんはあみがさを売るために町に行くことにしました。おじいさんはあみがさを五つしょってでかけました。町は遠くて長いあいだのはらを歩きました。やっと町について、おじいさんは 「あみがさ、あみがさはいかがですか。じょうぶなあみがさ
おじいさんが町を出て歩き出した時、雪がふりはじめました。疲れたおじいさんは雪の中でこごえながらのはらを歩いて行くとじぞうさまのすがたが見えました。石のじぞうさまは六つ並んで、頭の上に雪がつもっていて、つららもさがっていました。やさしい心のおじいさんは 「じぞうさまはさむいだろう
町はとてもにぎやかで、お正月のじゅんびをしている人がたくさんいました。お魚、おさけ、おもちを買ってみなは自分の家に帰りました。だれもあみがさを買ってくれませんでした。お正月にはだれも外を歩かないのであみがさはいりません。おじいさんが一日中町を歩いても、声を出しても、あみがさは一つも売れませんでした。そしておじいさんはしかたなく、おもちを買わずに帰ることにしました
と言いました。でもあみがさが五つありますが、じぞうさまは六つです。あみがさが一つ足りないので、おじいさんは自分がかぶっていたあみがさをじぞうさまにかぶせてあげました